SYNERGY ESSAY シナジーエッセー 上野圭一さん
月曜日は代替医療のオピニオンリーダー上野圭一さんのシナジーエッセー。専門家の視点から、健康、医療、幸福について分かりやすくお伝えします。
2010年10月18日(Mon)
「わたしたちと医療」その幸せな関係をみつける 第三三回
暑く長い夏がようやく終わってホッとしたのもつかの間、テレビでは早くも風邪薬のコ
マーシャルが喧しく流れはじめました。「くしゃんときたらすぐ○○○」などのメディア
戦略の影響なのか、「風邪を引いたらまず風邪薬」という条件づけができている人がきっ
とたくさんいるのでしょう。
風邪は心身からの「休め」信号です。症状に気づいたら、まず安静にすることが肝心。
ほとんどの風邪は薬を服まずに治ります。というより、薬を服まないで治したほうが、そ
のあとの心身の状態が、風邪を引くまえよりもよくなるものです。
野口晴哉さんは名著『風邪の効用』(ちくま文庫)で、そのことについて「風邪を経過
させる」「風邪を全うする」といっています。その要領はつぎのとおりです。
1・からだをゆるめる(深呼吸やヨーガなど)
2・冷やさない(発熱しても冷やさない、発汗したからだを風に当てない)
3・温める(熱いタオルを畳んで後頭部に。のどの風邪は足湯がいい)
4・汗は引っ込めない(汗がサラッとなるまで寝巻をとりかえない)
5・平熱以下の時期を安静に。平熱になったら用心せず、すぐ起きる。
野口さんは風邪を軽く見ているのではありません。その逆で、「風邪くらい厄介なもの
はない」といっています。風邪は「鈍くなったからだが弾力を回復する」サインでもあり
ます。そのサインを素直に受け取って、弾力のあるからだにもっていくための最良のチャ
ンスを風邪が与えてくれていると思えば、安静のしがいもあるというものです。
2010年10月18日(Mon)